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ウレタン防水に関する情報

ウレタン塗膜防水用材料

ウレタン塗膜防水層は、プライマー・ウレタンゴム系防水材・保護仕上塗料(トップコート)を基本構成として形成されます。
また、ウレタン塗膜防水層の性能が長期間維持され、機能が効果的に発揮されるためには、様々な材料が副資材として用いられます。

ウレタンゴム系防水材の種類

1成分形ウレタンゴム系防水材

1成分形は材料を塗布した後、空気中の水分を利用して常温下で硬化反応して、ゴム弾性のある塗膜を形成する湿気硬化型の材料です。
1成分形湿気硬化型ウレタンの材料は、ウレタンプレポリマー(イソシアネート化合物とポリオールを反応させた合成物)に、潜在性硬化剤、充填剤、可塑剤、顔料、触媒、安定剤等を練り混ぜた液状材料です。
潜在性硬化剤の種類・性状に応じて使用法が異なるため、防水材メーカーの指示を守る必要があります。

2成分形ウレタンゴム系防水材(手塗りタイプ)

主剤と硬化剤の2成分の材料を混合、塗布した後、常温下で硬化反応してゴム弾性のある塗膜を形成する材料です。
主剤はイソシアネート化合物とポリオールを反応させた合成物であるウレタンプレポリマーで分子末端にイソシアネート基(− NCO)を持たせた粘ちょうな液体です。また、硬化剤はイソシアネート基と反応するアミン、ポリオール等に充填剤、可塑剤、顔料、触媒、安定剤等を練り混ぜたぺースト状液体です。
2成分形ウレタンゴム系防水材には、圧送機を用いてウレタンゴム系防水材を屋上やベランダ等に強力圧送・連続供給するシステムがあり、作業効率の向上に加え、荷揚げ作業の短縮や廃材の大幅削減が図れる特長があります。スタティックミキサー部で自動混錬されるので、撹拌不良の心配がありません。

MEMO. 2成分形の主剤と硬化剤を混合する場合

2成分形の主剤と硬化剤を混合する場合は、撹拌容器に主剤を先に入れてから、硬化剤を加えることにより、防水層の硬化不良を防ぐことができます。

MEMO. 可使時間(ポットライフ)

ウレタン防水材の主剤と硬化剤とを混合してから、コテ、スクイジー等で塗布作業が可能な時間。
室内試験においては、混合液の粘度が10万mPa・s/23℃になるまでの時間を可使時間として測定します。可使時間は施工する際の温度の影響があり、低温では長くなり、高温では短くなります。したがって、硬化剤の製造時に触媒によりほぼ一定の可使時間が得られるように調節してあります。一般の高伸張形(旧1類)の手塗りタイプでは30~120分です。

MEMO. 硬化時間

2成分反応硬化タイプの主剤と硬化剤が混合されることによって化学反応を起こし、固まるまでの時間をいう。一般に塗膜防水材では、硬化時間は、塗膜上を歩行できるまでの時間の目安になっている。

2成分形ウレタンゴム系防水材(吹付けタイプ超速硬化ウレタンゴム系防水材システム)

超速硬化ウレタンゴム系防水材システムは、吹付け機を用いて2成分を各々に高圧圧送し、スプレーガン部で混合させて吹付け施工します。なお、短時間で硬化するため一般部と立上り部が共通の材料で施工できます。ただし、吹付け機は防水材メーカーにより異なるため、施工に際しては防水材メーカーの指導を得る必要があります。
主剤はイソシアネート化合物、硬化剤はアミン、ポリオール等を混合した液体であり、一般的に使用時に調色した顔料を添加する構成です。
また、施工後に形成された塗膜は高強度・高抗張積であり下地追従性に優れた性能を有します。

MEMO.2成分形ウレタンゴム系防水材の各成分の呼称

主剤/硬化剤、A液/ B液、イソ/レジンなどと呼ばれます。ウレタンゴム系防水材では、イソシアネート成分側を主剤・A液・イソと呼び、ポリオール/ポリアミン側を硬化剤・B液・レジンと呼びます。
なお、塗料や接着剤の業界では、レジン側を主剤・A液と呼び、イソ側を硬化剤・B液と呼ぶので注意が必要です。

副資材

ウレタン防水工法は、密着工法と絶縁工法に大別され、それぞれの工法に見合う副資材が使用されます。
なお、絶縁工法は、通気緩衝工法とも呼ばれます。

補強布、通気緩衝シート、プライマー、接着剤、保護仕上塗料(トップコート)、
ウレタン舗装材、減粘剤(希釈剤)、硬化促進剤、洗浄剤、その他の副資材 等